読ん読く

カラスの親指

一冊や二冊読んだだけでその作家に苦手意識を持ってしまうことってないだろうか。私にとっては道尾氏がまさにそうだった。著者の作品「向日葵の咲かない夏」「月と蟹」の二冊を読んだのは大分前のこと。両方とも傑作。それは確か。でも、それぞれが発するダー...
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聖痕

本書は221党員にとってして待ちに待った最新作である。221党なんて言葉はない。著者のファンを勝手にこう呼んだだけだ。だが、パソコン通信の時代から運営されている著者のフォーラムの名前は221情報局という。221=ツツイであることはいうまでも...
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戦国史の怪しい人たち―天下人から忍者まで

なぜ歴史に惹かれるのだろう。どうして人類の歴史は私を惹きつけて止まないのだろうか。人類が今まで営んできた人類の歴史。それは実に興味深い。成功。失敗。栄光。没落。残酷。希望。それらの全て。英雄がいて傾城の美女がいて宗教家がいて実直な市民がいる...
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真相・杉原ビザ

本書を読む少し前、2015年の大晦日に『杉原千畝』を観劇した。唐沢寿明さんが杉原千畝氏に扮した一作だ。作中では現地語ではなく英語が主に使われていたのが惜しかった。でも、誠実に杉原千畝氏を描こうとの配慮が見えたことに好感を持った。(レビュー)...
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我、六道を懼れず―真田昌幸連戦記

2016年の大河ドラマは真田丸。私にとって20年ぶりに観た大河ドラマとなった。普段テレビを観ない私にしてはかなり頑張ったと思う。本書を読み始めたのは第4回「挑戦」を観た後。そして本稿は第8回「謀略」の放映翌朝に書きはじめた。真田丸の主役は堺...
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とっぴんぱらりの風太郎

関西人である私にとって、万城目ワールドはとてもなじみがある。デビュー作から本書までの7作は全て読んでいる。特に長編だ。京都、奈良、大阪、長浜。それら関西の町を舞台として繰り広げられる物語はとても面白い。古い伝承が現代に甦り、波乱を巻き起こす...
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屍者の帝国

本書は読書人の間で話題になっていた。屍者が動く世界。主役はホームズの相手役であるワトソン。途中で著者の伊藤計劃氏が死去され、途中から盟友の円城塔氏が後を引き継ぎ完成。本書のこの様な特徴は、話題に持ってこいだ。私も本書の評判は聞いていて一度読...
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特攻の真意 大西瀧治郎はなぜ「特攻」を命じたのか

日本を太平洋戦争に突入させたのは軍部。こういった認識が主流となって久しい。しかし、私の理解では非難されるべきは軍部だけではない。マスコミによる煽動も同じく日本を敗戦に陥れた元凶だと思う。同時に、その煽動に安易に乗せられた大衆にも責任の一端は...
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ソロモンの偽証 第Ⅲ部 法廷

第三部は、初公判から閉廷に至るまでの裁判の過程が描かれる。ど素人の中学三年生による裁判が果たしてうまくいくのか。著者はその部分をどのように書き切るのか。本書の筋や真相だけでなく、著者の手腕に興味は尽きない。中学生が中学生だけで裁判をやりきる...
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ソロモンの偽証 第II部 決意

第一部の最後は、藤野涼子による決意の言葉で締められた。第二部は、その決意の提案から始まる。城東第三中学校では、恒例行事として三年生が卒業制作を行うことになっている。その卒業制作を学校内裁判を開くことに充てたい、というのが藤野涼子の提案だ。優...