読ん読く

光圀伝

「この印籠が目に入らぬか!」という、助さん角さんのお馴染みの台詞。この台詞は本書には登場しない。それどころか、白髭を垂らし、諸国を漫遊する黄門様の姿すら出てこない。その替わりに出てくるのは、権威を恐れぬ傾奇者としての、詩で天下を取らんとする...
読ん読く

るり姉

本書の帯の裏表紙は、書店の実際の売場ポップをそのまま使っているらしい(梅原潤一氏・有隣堂 横浜駅西口 )。そしてそのポップが実によいのだ。帯にしたくなるのも分かるぐらいに。ポップ一つに私の云うべきことが凝縮されているといってもよい。このレビ...
読ん読く

鉄の骨

一世を風靡した半沢直樹による台詞「倍返しだ!」。文字通り倍返しに比例するように著者の名前は知られるようになった。著者の本が書店で平積みになっている光景は今や珍しいものではない。自他ともに認める流行作家といえよう。とはいえ、私の意見では著者は...
読ん読く

精神論抜きの電力入門

貧しい資源の上に危うく乗っかった日本の繁栄。福島第一原発の事故によって、改めて我々にはその事実が突き付けられた。資源に乏しい我が国が、今の繁栄をどのように維持するのか。多くの人々が忘れ去ってしまったこの問いは、実は全く解決されていない。問題...
読ん読く

製鉄天使

著者の作品の中で「赤朽葉家の伝説」という小説がある。著者の代表作の一つとして知られている。私は著者に直木賞をもたらした「私の男」よりも「赤朽葉家の伝説」のほうが好きだ。鳥取の製鉄家一家の歴史を大河風に描き切った「赤朽葉家の伝説」は、魔術的リ...
物申す

4256本より3000本

イチロー選手の記録達成の話題で世間は盛り上がっていますね。私も毎日スポーツ記事をわくわくしながら見ています。根詰めて作業に没頭しているここ数日はニュースを見ることが一瞬の息抜きといいますか。イチロー選手の偉大さは今さら書くまでもありません。...
旅マップ

福崎の町に日本民俗学の礎を求めて

4月に福崎を訪れました。福崎と言えば、日本民俗学の泰斗として著名な柳田國男氏の出身地です。昨秋、友人たちと横浜山手の洋館巡りをした際、神奈川県立文学館で催されていた柳田國男展を訪れました。ただ、入館した時点ですでに閉館時間まで1時間しかなく...
読ん読く

新訂 妖怪談義

日本民俗学の巨人として、著者の名はあまりにも名高い。私もかつて数冊ほど著書を読み、理屈に収まらぬほどの広大な奥深さを垣間見せてくれる世界観に惹かれたものである。本書は著者の多岐に亘る仕事の中でも、妖怪に視点を当てたものとなる。妖怪といえば、...
読ん読く

虚像の道化師 ガリレオ 7

幻惑す まどわす心聴る きこえる偽装う よそおう演技る えんじるこれは本書の各編につけられた題である。四編からなる今回のガリレオは、このように二字熟語に送り仮名を振った題が付されている。つまりは造語であり、当て字である。ガリレオシリーズは、...
読ん読く

食堂かたつむり

本書は実際に読んだほうがいい。読んで、じっくりと味わったほうがいい。そして、食べることの意味をかみしめた方がいい。本書はそんな小説だ。インド人の彼氏にある日突然捨てられた倫子。ふるさとに帰り、私生児として産んでくれたものの、心が全く通わない...