舞台を観、想いを致す

THE SCARLET PIMPERNEL

タカラヅカのスターシステムはショービジネス界でも特徴的だと思う。トップの男役と娘役を頂点に序列が明確に定められている。聞くところによると、羽の数や衣装の格やスポットライトの色合いや光度まで差別されているとか。トップの権限がどこまで劇団内に影...
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百年法 上

国家を成り立たせるための最低要件。それは政治学の初歩の問いではないか。この場で私が思いつく限りでも、国民、国境、そして軍隊も含む外交主体などが浮かぶ。最後に挙げた主体とは、国の実態を対外折衝を行える組織に置く考えに基づいている。つまり、対外...
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赤ヘル1975

世に原爆を題材にした小説は数あるが、被爆後のヒロシマを描いた代表作の一つとして本書を取り上げてもよいのではないか。戦後の広島の復興を、1975年の広島東洋カープ初優勝に象徴させた本書は、全く新しい切り口で原爆を描いている。そもそも私は、広島...
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カラマーゾフの妹

本書は江戸川乱歩賞を受賞している。江戸川乱歩賞といえば推理作家の登竜門としてあまりにも名高い。多数の作家を輩出していて、受賞作もバラエティに富んでいる。私も歴代の受賞作は読むようにしているし、タイトルもかなりの数を諳んじられる。そんな歴代の...
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原作屋稼業 お前はもう死んでいる?

無意識のいたずらかどうかはわからないが、「自殺について」の次に読んだのがこちら。原哲夫画伯による表紙イラストの男性はおそらく著者だろう。その出で立ちは、世紀末覇者ラオウを連想させる。まさに原作者稼業を生き抜いて来た”漢”を感じさせるに充分の...
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自殺について

なにしろ題名が「自殺について」だ。うかつに読めば火傷すること確実。悩み多き青年には本書のタイトルは刺激的だ。タイトルだけで自殺へと追い込まれかねないほどに。23歳の私は、本書を読まなかった。人生の意味を掴みかね、生きる意味を失いかけていた当...
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魔術的リアリズム―二〇世紀のラテンアメリカ小説

「魔術的リアリズム」。当読読ブログでも何度かこの言葉を取り上げている。「魔術的リアリズム」とは、ラテンアメリカの作家たちによって知られる文学潮流の一つである。現実をベースにした描写に超現実的なエピソードを織り込むことで物語に深みを持たせる。...
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最後のウィネベーゴ

饒舌の中に現れる確かな意思。著者が物語をコントロールする腕は本物だ。以前読んだ『犬は勘定に入れません』でも著者の筆達者な点に強い印象を受けた。本書を読んで思ったのは、著者が得意とするのは物語のコントロールに秀でたストーリーテラーだけではなか...
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お目出たき人

著者の没年を見ると、私が三歳の年に亡くなったようだ。つまり私が幼い頃はまだ存命だったことになる。だが、著者の作品をまとまった書籍として読んだ記憶がない。教科書で読んだかどうかもあやふやだ。私の中ではあまり関わりのなかった著者だが、なぜか私に...
物申す

今さらメールがすごいと言われても

先日、フォーブスジャパンのオンライン版でこんな記事を見つけました(SNS時代でも、メールがやっぱりすごい理由)。メールを礼賛するようなタイトルに、この期に及んでメール?と逆に興味をもって読んだのですが、正直いってあまりにも現状にさからった記...