読ん読く

蒼き狼

著者の書く文章が好きだ。端正でいて簡潔。新聞記者から小説家になった経歴ゆえ、まず伝わる文章を徹底的に鍛えられたからだろうか。読んでいて安心できる。そうした、端正な文章が、地上最大の帝国ともいわれるモンゴル帝国を一代で築き上げたチンギス・ハー...
読ん読く

決定版 日本書記入門 2000年以上続いてきた国家の秘密に迫る

私が持っている蔵書の中で、著者本人から手渡しでいただいた本が何冊かある。本書はその中の一冊だ。友人よりお誘いいただき、六本木の某所でセミナーと交流会に参加した。その時のセミナーで話してくださった講師が著者の久野氏だった。セミナーの後、本書の...
読ん読く

鞆ノ津茶会記

本書は著者の最晩年の作品だ。著者は序でこのように述べている。「私は茶の湯の会のことは、現在の茶会のことも昔の茶会のことも全然智識が無い。茶会の作法や規則なども全く知らないが、自分の独り合点で鞆ノ津の城内や安国寺の茶席で茶の湯の会が催される話...
物申す

76回目の終戦記念日にあたって

今日は76回目の終戦記念日です。おととしにこのような記事をアップしました。今年も思うところがあり、振り返ってみようと思います。なぜそう思ったか。それは今日、昭和館を訪れ、靖国神社に参拝したからです。今年は初めて終戦記念日に靖国神社に参拝しま...
読ん読く

一番やさしい簿記

今、クラウド会計システムはどれくらいの種類があるのだろうか。私もよく把握していないが、私の脳裏に即座に浮かぶのは会計freeeだ。2019年の12月、freee社において開催されたfreee Open Guild #07で登壇を依頼された。...
読ん読く

蛍の森

著者は被爆後の広島を語る上で重要な三人の人物を描いたノンフィクション「原爆 広島を復興させた人びと」を著した。私はこの本を読んで著者に注目した。その著者が初めて出した小説が本書だ。ハンセン病、またの名をらい病と呼ばれる病気がある。かつては業...
読ん読く

人災はどこから始まるのか 「群れの文化」と「個の確立」

本書は、元日本原子力研究所や日本原燃株式会社といった原子力の第一線で働いていた著者が書いている。原子力技術者が、東日本大地震が起こした惨禍とそれに伴う福島第一原子力発電所の事故を受け、贖罪の気持ちで書いたものだという。題材が題材だからか、本...
アクアビット航海記

アクアビット航海記-打たれてもへこたれない

今までの連載を通じ、私の人生を振り返ってきました。私の人生は決して平坦なものではありません。何度も凹まされ、傷ついてきました。鼻をへし折られるぐらいならまだしも、やくざさんの家に飛び込み営業で殴られたり、営業成績の不調でその場で丸刈りにされ...
読ん読く

ハル、ハル、ハル

本書は、三編の短編からなっている。どれもがスピード感に満ちており、一気に読める。「ハル、ハル、ハル」「この物語はきみが読んできた全部の物語の続編だ」という一文で始まる本編。“全ての物語の続編”というキーワード。これが本編を一言で言い表してい...
物申す

スポーツの感動は人類に必要

東京オリンピックが閉幕式を迎えようとしています。よくぞ終わったといえるほど、波乱の大会でしたね。開会式の前日まで、各地で行われていた開催を反対する訴え。開会式の演出をめぐる人々の相次ぐ辞任や更迭。その結果を受けた開会式の酷評。開催中には新型...