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レディ・ジョーカー〈中〉

以前、著者が推理作家としてみなされることに抵抗の意を表していたのを何かで読んだことがあるけれど、それもうなづけるような人間の存在の苦悩や社会的な関係性のねじれなどを実に細かくえぐりつつ書き込んでくれています。決して一面性では捉え切れない犯罪...
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レディ・ジョーカー〈上〉

ようやく読めたのですが、息を止めんばかりに濃密な描写ながら、さくさくと読めてしまいます。のっけから部落問題を題材に描くあたり、上巻からリアリティが迫ってきます。各人物の紹介を兼ねたエピソードが効果的で紹介のための紹介ではなく、きちんと本筋に...
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イタリア人の働き方

文中でも触れられている通り、私にもイタリアに対しては脆弱な経済基盤という印象があっただけに、最近の欧州経済危機でも危機リストに名前が挙がってこない理由の一端がわかった気がします。個人事業主が多いというイタリアの特質ゆえに、組織や国家統制的な...
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猪苗代マジック

久々に二階堂氏の著書を読みました。うーんヒロインのセリフに違和感をかなり感じてしまいました・・・ミステリ・マスターズに連なる一品としては小粒なトリックと動機が作者の意図に関わらず消化不良を起こしました。'11/9/5-'11/9/6
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関ヶ原島津退き口―敵中突破三〇〇里

夏の関ヶ原探訪の後追い読書その2。島津の有名な退却行は以前から興味を持っていて、今回も石田三成公がメインの旅だったが、義弘公の陣地あとにも足を伸ばしてみた。この本はその興味を満たすに十分な内容で、戦前からの国内政治やしがらみの複雑さや、何ゆ...
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神は銃弾

詩的なレトリックが乱れ飛ぶのだが、それが物語のスピーディーな展開を損なわないという稀有な例。ヒール役の為す行為も限りなく悪辣なんだが、その単純さが逆にヒーローとヒロインの複雑な内面や精神の対立軸として有効になっている。面白い。。'11/8/...
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BG、あるいは死せるカイニス

SF的な設定のもと、その設定をひっくりかえすようなラストが印象的。新世界より、や、ルグィンの闇の左手のような設定は、それだけで性に縛られがちな小説世界の境界を広げることができる。このような世界は作家としても書いていて面白いのではないだろうか...
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重光・東郷とその時代

この方の著書は公平な著述を心がけている点に好感が持てます。当著作では日本の混迷の時代を取り上げていますが、戦士や将官に対する視線も外交を混乱させた批判的な目ではなく、憂国の士としてとらえている点が印象的です。皇国主義すれすれというところです...
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敗者から見た関ヶ原合戦

この夏、宝塚をきっかけに興味を持った妻と十数年ぶりに関ヶ原の陣地や石田集落廻りをしました。そこにきて、こちらの本。面白い視点で、かつ説得力のある論考の数々を繰り広げてくれます。けっして我田引水のような強引な、トンデモ論法ではなく、実際に現地...
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仕事で使えるフェイスブック活用術~仕事の効率&成果を上げる!実践テクニック~

個人(仮名)・仕事(実名)の使い分けを自己流でこなしながら、種々のソーシャルメディアにユーザーとして関わってきた私ですが、それでも著者の松宮氏の経験と洞察には蒙を啓かれることが多かったです。あまりビジネス面での活用を積極的にやらなかった私も...