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リーシーの物語 下

上巻のレビューに書いたけれど、じっくり読むという目標が、もろくもくずれ、下巻は3日で読み終えてしまっている。これは退屈になって斜め読みになったのではなく、物語の面白さに追われてしまったため。上巻のレビューに書いたように、大枠の展開は今までの...
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リーシーの物語 上

著者の本も大分読んできているけれど、最近はちょっと展開がマンネリ化の方向にあるなぁ・・・と思うことが多い。正直言ってこの本も展開としては今までの名作たちと同じような部分もあるにはあるのだけれど、著者の凄いところはその描写のディテールにあり、...
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鷺と雪

著者の本はそれほど読みこなしておらず、円紫さんシリーズを少し読んだ程度。だが、日常の些細な謎をミステリに仕立てあげる手腕にはかねてから敬服しており、直木賞受賞作である本書も数ある著者の本の一つという程度の認識で手に取った。様々な日常の事件を...
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骨の記憶

著者の名前はミステリ関係のランキング本や新古書店などで目にしていたけれど、手に取るのは初めて。浅い見方をすればプロットは集団就職での裸一貫での状況からバブルに踊るまでの日本昭和史を背景に絡めたサクセスストーリーで、有りがちといえば有りがちな...
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チボの狂宴

ノーベル賞を受賞してからというもの、翻訳される機会がふえたのだろうか、この本も翻訳されありがたい限りだ。ドミニカ共和国の独裁者として一時代を築いたトルヒーリョを描いたこの作品、以前、ガルシア=マルケスが『迷宮の将軍』でも取り上げたのだけれど...
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希望の国のエクソダス

10年ほど前は著者の本をよく読んでいた。ところがなぜかぱったりと読まなくなってしまった。現代風俗に著作の方向が変わったように思えたからか。それとも経済的な方向に関心が向き始めたのを嫌ったからか。5年ほど前に「半島を出でよ」を読んで、面白かっ...
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近代日本の万能人 榎本武揚

武揚伝<上>と<上>を読んでから、榎本武揚という人物に興味を抱いたわけだけれど、上記リンク先でも書いたように、明治以降の逆賊という汚名の中、いかにして大臣を歴任し、子爵を受爵できるまでにいたったのかについて興味があったところ、こちらの本を見...
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帰化人―古代国家の成立をめぐって

今年の初夏頃より韓流排撃のデモが行われるようになった。私自身は、韓流ドラマもほとんどみないし、韓流音楽も聞かず、接点といえば娘たちのチアで使われるkaraや少女時代の曲ぐらいしかしらず、それほど席巻されているようにも思えないのにデモ?という...
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ブランコのむこうで

著者の本を手に取るのは久しぶり。長編は初めてかな。スウィフトのガリバー旅行記を思い起こさせる内容。あちらは架空の国々を訪問していく中でそれらの国々の人々を通して人間を風刺していたけれど、こちらの本は夢の国を次々と訪れていく。現実の主人が寝て...
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あなたが子どもだったころ―こころの原風景

氏の本は20代中ごろによく読んだ。心理学という学問に興味がわいたそのころ、色んな心理学の本を読んでいたけれど、一番読んだのは河合氏の本だったように思う。対談の名手として氏の対談集も色々と読んだけれど、仕事が忙しくなるにつれ、氏の本からも心理...