読ん読く

マルドゥック・スクランブル〈改訂新版〉

SFを読まなくなってだいぶ経つのだが、面白い作品に巡り会えず読まなくなったのではない。むしろSFこそは想像力の限りを尽くして世界観を構築する刺激的なジャンルだと思っている。それゆえに読者にもその技術に裏打ちされた世界観を理解することが求めら...
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昭和十七年の夏 幻の甲子園―戦時下の球児たち

私の実家は甲子園であり、幼少のころから大和球士氏の書く大人向けの野球史書などを読む子供であったため、未だに本書のような秀作に出会うたびに、心が高鳴る。本書は戦前最後の中等野球大会として開催されながら、主催者が朝日新聞社ではなく文部省とされた...
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からだの知恵 この不思議なはたらき

本書を手に取ったのは、この頃、我が家のヨーキーの小春が急激に体調を崩し、何かせずにはいられなかった焦りから。結局本を読み始めて2日後に、小春は天に召されてしまい、人間の身体について説明された本書は小春にとって何の意味も持ちえないものとなった...
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闇の子供たち

著者の作品は本書が初見。本書はノンフィクションとフィクションの境をあえて曖昧にした内容で、論議を呼び起こし映画化もされた作品である。タイ農村部の人身売買の取引と、少女たちが売られ、性の欲望に蹂躙されていく様が、ポルノと見間違えるぐらいのえぐ...
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傾いた世界―自選ドタバタ傑作集〈2〉

ミュージシャンのベスト盤に相当する、筒井氏のベスト集。ベストというに相応しい収録作である。関節話法は読むたびにゲラゲラ笑ってしまう。難しいことは考えず、ただひたすらに笑いに徹することのできる、稀有な短編集。ベスト盤が出せる小説家というのもそ...
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雨の日には車をみがいて

2月から忙しくなったため、今年の目標の一つとして掲げていた「読んだ本全てのレビューを記す」が早くも頓挫しそうなことに、忸怩たる思いを抱いている。遅きに失した感もあるが久々にレビューをアップしてみる。本書はFacebookで仕事上お世話になっ...
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チャイナ・レイク

スティーブン・キングをはじめとして、アメリカのエンターテインメント小説の書き手には優れた方が多数いるけれど、読む本全てがハリウッド映画のようなスピード感とスリルに満ち溢れた一品かというとそうでもなくがっかりさせられることもある。ところが、本...
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そうか、もう君はいないのか

巻末の児玉清さんの解説にすべてが書かれている。本文でも静かな共感と感動が、そして読み終えた終わった後には児玉さんの文章にまた心を動かされる本である。著者が亡くなった後に、依頼を受けて書いていたという奥様とのなれそめや思い出を綴った原稿を、残...
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運を天に任すなんて―人間・中山素平

自分が政治の世界に身を置いてみたところで、彼らを凌ぐような実績を残せる域にはまだ達していないと思うだけに、今の政治家の体たらくについてはあまり批判したくはないけれど、戦後の日本の高度成長を支えてくれた先達と比較して、これはという巨星が少ない...
Excel

Excelのシート CodeNameからNameを導き出す

VBAでExcelのシート名を参照する際に、CodeNameからシート名を導き出す必要が生じました。ネットに当ってみたのですが、よい例がなく、自分でプロパティを探して表示させるようにしました。あまりWebには掲載されていないようなので、メモ...