読ん読く

PK

2014 FIFAワールドカップ Brasilの開催中に読んだ本書。旬なタイトルもあって手に取った。著者はすでに「あるキング」という野球の不条理さと文化を逆手に取った興味深い一冊をものしている。本書もそれに連なり、サッカーに絡めたエスプリの...
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社畜のススメ

社畜のススメ。実に目を惹くタイトルである。著者と編集者の狙いが透けて見えるような。が、敢えてその挑発に乗り、本書を手に取った。社畜。このように言われて鼻白む方は多いことだろう。私もその一人である。それどころか、社畜とは正反対の人生を歩まんと...
映画を観、思いを致す

ドラキュラ Zero

冒頭から白状すると、今まで記憶にある限り、ドラキュラに関する映画は一本も見たことがない。映画のみならず、舞台や小説ですら記憶にあまりない。精々、トマトジュースを好み、「~ざます」「坊ちゃま」が口癖のドラキュラが記憶に残る程度である。つまり、...
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夜の国のクーパー

著者の新境地を拓くのが本書である。全くの異世界を創造し、その中で推理小説や冒険小説といった軛から逃れ、著者の軽妙な語り口すら排している。描かれるのは人と猫が会話をし、何かが何かを象徴する世界。著者の作品のほとんどは読んでいるが、本書は著者の...
舞台を観、想いを致す

エリザベート 愛と死の輪舞

今年100周年を迎え、衰えることを知らない宝塚。100年の長きに亘り劇団が存続してきたことは、実に素晴らしいことである。歴代のスタッフや生徒、OGや観客の貢献はいうまでもない。それに加え、時代の節目でモン・パリやパリ・ゼット、ベルサイユのば...
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1Q84 BOOK 3

BOOK 1とBOOK 2で幻想は現実を蚕食し、過去と現在は和解されつつあった。BOOK 3である本書はそれらはどのように和解され続けるのだろうか。お互いの存在を意識し、探し合うようになった青豆と天吾。二人がいかにして、どこでいつ出会うか。...
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1Q84 BOOK 2

BOOK 1 の最後の章で、青豆と天吾の世界に、現実からの脅威が押し寄せる。BOOK 2 である本書では、序破急の破らしく、一気に物語が展開する。徐々に現実感を喪失しつつあった世界に、現実が否応なしに押し寄せる。青豆は謎の信仰集団のトップの...
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1Q84 BOOK 1

本稿を書き始める数日前、今年度のノーベル文学賞受賞者が発表された。有力候補とみなされていた村上春樹氏は、残念ながら受賞を逃した。毎年のように候補者に名が挙がる氏であるが、本人は同賞に対しそれほどの拘りはないように思える。私の思い込みであるが...
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国民ID制度が日本を救う

構想がマスコミで取り上げられる前から、私は国民ID制度には賛成であった。国民ID制度が世の話題に上り始めた頃、制度に対し国民総背番号制云々といった揶揄が横行していた。私はそのような、本質とは違った世論を醒めた眼で眺めていた。データ管理を行う...
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残り全部バケーション

本作は著者の連作短編集である。デビュー当時から、連作短編集に独自の世界を発揮していた著者だが、本書もまた、その系譜に連なる名作である。著者の作品に登場する悪役は、どこか憎めない奴らが多い。それが作品に無二の味わいを効かせてくれている。本書に...