読ん読く

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4‐2‐3‐1―サッカーを戦術から理解する

昨年末から今年にかけ、サッカー観戦の集まりに参加する機会を何度も頂き、今年はサッカーじゃ!と燃えていた時期に読んだのが本書。この本を読んでから7か月が経つが、予想以上の残業の日々で観戦の機会がせいぜい2,3度しか取れず、本書から得た知見を活...
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影男

本がないと生きていけない私の読書人生で転機になったのは、間違いなく江戸川乱歩の著作と出会ってからであり、小学三年生のあの頃、ポプラ社の二十面相やルパン、ホームズ物をむさぼるように読んだ日々がどれだけ幸せだったか。ポプラ社の46巻シリーズ、前...
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硫黄島に死す

本書には7編の短編が収められており、そのうち5編が太平洋戦争中の激戦に題材を採っている。いずれも当時の国際情勢や政治に無関係の、前線で任務を全うするために挺身する人々の姿を様々な角度から描くことで、戦争の意味を問うている。太平洋戦争の戦記文...
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天地明察

先日記したマルドゥック・スクランブルでも統計や情報についての著者の博識ぶりに触れたのだが、本書を読んでさらに著者が科学に対して底知れぬ興味と喜びを抱いていることが感じられた。渋川春海という江戸時代に改暦を成し遂げた人物に焦点を当てた本書は、...
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競売ナンバー49の叫び

氾濫するシンボルとエピソードの数々。喧噪と反映の中で急速に繁栄への道を駆け上がってきたアメリカの縮図のような本書は、とにかくにぎやかである。謎が謎を呼び、何重にも入り組んだ物語迷宮の中で、下手をすれば筋を見失いそうになることもあるが、謎を追...
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邂逅の森

常々、人間たかが生物であり自然に対して思い上がることなかれ、との思いを肝に銘じているのだが、ITという仕事柄もさることながら、日々の忙しさにかまけた生活を続けていると、自然への畏敬の念を忘れがちになる。そんな時は本書を読むとよい。明治から昭...
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小暮写眞館

人生の各情景を切り取って、小説の形に世界を形作るのが小説家の使命だとすれば、仮想世界が徐々に幅を利かせつつある現状について、彼らはペンでどう対峙し、どの視点から情景を切り取っていくのだろうか。そんな疑問に対する一つの答えが本書である。小暮写...
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震度0

警察内部というよりも組織の中で戦わねばならぬ閉じた世界のやるせなさ。仕事場だけでなく家庭にも裏表を持ち込む組織内の争いの陰惨さを描き出そうとした著者の意図がくみ取れる。震度0というタイトルには様々な意味を込めてのものであろうが、それは、表だ...
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国鉄スワローズ1950‐1964―400勝投手と愛すべき万年Bクラス球団

プロ野球史に興味を持つものとしては、国鉄スワローズの名前は避けては通れない。国とプロ野球という今では考えられない組み合わせもさることながら、400勝金田投手の名前が残る限り、必ず言及されるからである。晩年こそ名球会会長を追われる形で辞任した...
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すべての美しい馬

少年と青年を隔てるものがなにか、という主題について近代文学では、幾多の作家が採り上げてきた。大部分の人は少年から青年への移り変わりに気付かず、青年になって初めて自分が何を失い何を背負ったかを知る。そして、社会に囲われ時代に追われる自分を突き...