読ん読く

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闘電―電気に挑んだ男たち

本書を手に取ったのは、東北地方太平洋沖地震発生以降の東京電力のことが脳裏にあったからである。同社は、地震発生以降の対応についてあれこれ取り沙汰され、批判されている。批判することは容易だが、そもそもなぜそれほどまでに頑迷なのか、興味を持った。...
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確率捜査官 御子柴岳人 密室のゲーム

著者の作品は、妻がはまってからというもの、読みやすさもあってほとんど読んでいる。シリーズ化を前提とした、キャラ立ちした登場人物が出てくる著作がほとんどだが、本書も新たなシリーズを作りだそうという試みの一つだと思う。探偵といえば相棒。それは、...
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ターン

別断面の世界という、使い古された設定である。むしろ、本書の読みどころとしては、丁寧な描写で定評のある著者の筆さばきにあるのかもしれない。設定や筋運びより、異世界に生きる主人公の心の動きや、異世界と実世界との違いをどう描くか、という点に興味が...
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新参者

私が人形町界隈に通勤していたのは今から数年前、1年半ほどの期間であった。縁があって人形町を本拠とした会社設立に参画することになったのだが、その会社と縁が切れた今に到っても、設立に立ち会ったことは、私の仕事スタイルにとって重要な影響を与え続け...
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これはペンです

村上龍氏が以前何かのインタビューで語っていた内容が、プログラマが書いた小説に興味がある、という趣旨のことだったように記憶している。私も仕事でプログラミングをする機会があり、If文やFor~Next文、While~Wendなどの条件文や反復文...
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社長の教科書―リーダーが身につけるべき経営の原理原則50

本書も、4月にプロジェクトを移るなど、仕事環境が変化した機会を捉え、試行錯誤として読んだ本の一冊である。著者の名はおぼろげに記憶の片隅に残っていたぐらいで、殆ど事前知識なく、もちろん著作を拝見するのは本書が初めてである。題名に惹かれて手に取...
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なぜ技術経営はうまくいかないのか―次世代の成長を生み出すマネジメント

4月になってプロジェクトが変わり、プロジェクトを推進する側に回ることもあって、自分の仕事の方向性を定めようと試行錯誤した時期に読んだ一冊。管理のみでなくプログラムないしは設計にも引き続き携わりたいとの意識を持って読んだ結果は、半年後の今、残...
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テンペスト 下 花風の巻

本書は日本と清国に翻弄された琉球の歴史が舞台だが、琉球の埋もれようとする歴史以外に著者が問うているのは、ジェンダーとしての性についてである。女であるがゆえに科試を受けることのできない主人公が、宦官として科試に合格し、役人として生きていき、科...
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テンペスト 上 若夏の巻

本書については、賛否両論あると思う。会話や地の文、登場人物の言動が戯画化されすぎているという短所についてはもっともかもしれない。主人公の行動についても、あれでばれないのはおかしい、とあまりに現実離れした内容への批判もあると思う。私はそれらの...
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月と蟹

著者の作品を読むのは「向日葵の咲かない夏」に続けて2作目。妙に心をざわつかせる作風故、積極的に読みふけりたい作家ではないのだが、直木賞受賞作ということから、手にとってみた。妙に心をざわつかせると書いたのも、著者が少年時代の持つ一種の危うさを...