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俳句と川柳 「笑い」と「切れ」の考え方、たのしみ方

鷹羽氏の俳句入門を読み終えた後、続けて本書に手を取った。俳句と川柳。実際のところ、この二つの違いってよくわからない。季語があってワビサビがあるのが俳句。滑稽な風刺があれば川柳。こういう認識でしかなかった。本書には、俳句と川柳の二つの違いが理...
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俳句の上達法

私が俳句に手を染め始めたのはいつからだろうか。覚えているのは、23の頃。当時、芦屋市役所にアルバイトとして勤めていた際、当時の所属課の課長さん以下、全員へ違う句を書いて年賀状を送付したことがある。その後は、暫く俳句からは遠ざかった。二十代半...
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華、散りゆけど 真田幸村 連戦記

来年のNHK大河ドラマは、真田幸村公を主人公とした真田丸なのだとか。大河ドラマをほとんど見ず、そもそもテレビをはじめ、マスメディアに触れることが少ない私。それでもやはり、真田日本一の兵が大河ドラマの題材になれば気になる。そんなところに、妻が...
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白銀ジャック

著者が文庫のために書き下ろしたのが本書。総じて、文庫書き下ろしとの文句には安易な印象が付きまとう。書き散らし、書き急ぎ、大量生産。私も普段は文庫書き下ろしと謳われた書物には手を出さないのだが、著者は別である。決して寡作ではないのに、出す本出...
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県庁おもてなし課

この題材の取り上げ方は見事。著者お得意の恋愛ストーリーと地方振興にからめ、さらには主人公の成長譚と公務員問題の提起までを一編にまとめてしまったことには脱帽の他ない。公務員が主人公というのもいい。本書の舞台は高知。著者の郷里だとか。本書のあち...
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川の名前で読み解く日本史

私の関心対象のひとつに川がある。川は面白い。上流部の岩場や滝は荒々しく。中流部の草生い茂る川面と緑豊かな土手はのどかに。清濁合わせ呑んだ下流部の拡がりは悠々自適。川を人の一生に例えることは昔から行われてきたが、その気持ちもわかる。私は、未熟...
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ギッシング短編集

19世紀に書かれた小説を読むと、ぎこちない場面転換や心理描写に戸惑うことが多い。現代の我々は、洗練された語りに恵まれて過ぎていて、19世紀の小説が回りくどく思えるのは仕方のないことかもしれない。偉大なるディケンズの長編小説であっても、冗長な...
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日本語のコツ―ことばのセンスをみがく

ここ数年、文章を書くことの面白さと難しさを感じている。書く場所や時間で文章の紡ぎかたは変わり、読み手の気分や体調によって文章の受け止められ方も変わる。読み手と書き手、それぞれの立場に応じて、文章は自在にその色合いを変化させる。デジタルの世に...
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12番目のカード〈下〉

下巻では、冒頭からチャールズが関わっていた秘密の一端が解かれる。それは合衆国連邦憲法の修正第十四条の成立にまで遡る。修正第十四条とは、合衆国連邦憲法が、各州の定める州法を制限できなかった反省から産まれたという。南北戦争の際、南部諸州は、黒人...
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12番目のカード〈上〉

今回のリンカーン・ライムシリーズは時空を超えて展開する。時空といっても荒唐無稽な話ではない。ある殺人未遂事件の背後にある、アメリカの歴史にとって触れられてはならない暗部。これが本書のテーマとなる。サスペンスと推理が融合した当シリーズではある...