読ん読く

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アメリカの鳥

通勤車内が私の主な読書の場である。そのため、読む本はどうしても文庫か新書が多い。全集に至ってはどうしても積ん読状態となる。かさばるし重いし。そんな訳で、全集を読む機会がなかなかない。池澤夏樹氏によって編まれたこの全集も、ご多分に漏れず読めて...
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第四解剖室

本作もまた、優れた短編が収められている。本書には、著者からの序文が附されている。序文というにはいささか長めの分量の。そこでは著者が自らが創作した作品だけでなく、様々な試みを行っていることが紹介されている。ラジオ局を二つ所有し、そこで昔ながら...
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よくわかる株式会社のつくり方と運営 ’13~’14年版

法人設立にあたっては、色々本を読んだ。その最初の本が「会社は誰のものか」。記録によると2014/12/20から2014/12/24に掛けて読んでいる。つまり、私が法人化を意識し始めたのは2014年のクリスマス直前であるようだ。「会社は誰のも...
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下町ロケット

本書を読み終えてから一年近く経ち、ようやく本稿を書いている。その間には本書を原作としたテレビドラマも始まったと聞く。例によって一度も観ていないが。だが、読み終えて一年経ったにも関わらず、本書の内容はよく覚えている。心動かされたシーン、クライ...
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会社は誰のものか

私が会社を立ち上げたのは、今春のこと。その際、参考資料として何冊かを手に取った。しかし、社長の気構えについて書かれた本は一冊しか読んでいない。それが本書である。他に読んだのは全て手続きにかんする実務書である。結論からいうと、予定通り4/1に...
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人はなぜ宗教を必要とするのか

特定の組織に属することを好まぬ私。そんな私にとって、宗教団体への入信は、今のところ人生の選択肢には入っていない。とはいえ、私は神社仏閣に詣でることはむしろ好きな方である。各地の名刹古刹や神社には旅行の際によく訪れている。そのくせ、結婚式はキ...
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ひとりの体で 下

上巻のレビューの最期で、本書にまつわるほとんど布石が撒かれ尽したと書いた。下巻では冒頭からミス・フロストが実は男であったことが著者に明かされる。実は上巻で主人公とミス・フロストが結ばれるシーンでは、ミス・フロストは主人公に注意深く挿入させず...
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ひとりの体で 上

著者の作品はほとんど読んでいる。どれも壮大なスケールの大きさと、細部まで行き届いた描写がない交ぜになった傑作である。愛読者にはよく知られていることだが、著者の作品には特定のモチーフが様々に登場する。熊、軽業、レスリング、飛行機、母への思い等...
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眩談

著者の民俗学・妖怪学への造詣の深さが尋常ではないことは、今さら言うまでもない。そのことは、京極堂シリーズをはじめとした著作のなかで実証済みだ。両方の学問に通じた著者は、妖怪の産まれ出でる背景にも造詣が深い。著者の代表作でもある「嗤う伊右衛門...
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アメリカひじき・火垂るの墓

実は著者の本を読むのは初めて。本書のタイトルにもなっている「火垂るの墓」も初めてである。しかし、粗筋はもちろん知っている。スタジオジブリによるアニメを一、二度見ているためだ。「火垂るの墓」は、アニメ以外の文脈からも反戦という括りで語られるこ...