読ん読く

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永遠の0

もったいないなあ、と思っていた。本書のような傑作をものにしながらの作家引退宣言に。某ロッカーや某プロレスラーのように引退撤回を望みたいと思っていた。一連の右寄り発言や故やしきたかじんさんについて書いた「殉愛」の内容。これによって著者はマスコ...
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死闘 昭和三十七年 阪神タイガース

私が自由にタイムマシンを扱えるようになったら、まず昭和三十年台の野球を見に行きたい。今までにも同じような事を何度か書いたが、相も変わらずそう思っている。野武士軍団と謳われた西鉄ライオンズ。親分の下、百万ドルの内野陣と称された南海ホークス。名...
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WORK SHIFT

本書に巡り合ったきっかけは読書会だ。ハマドクという横浜で開催されたビジネス書読書会。ハマドクの主宰は、横浜で行政書士としてご活躍されている清水先生である。清水先生は私が個人事業主から法人化にあたっての手続き面で多大な貢献を行って下さった。そ...
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こころの王国―菊池寛と文藝春秋の誕生

著者はよく作家を題材とした評伝を書く。例えば太宰治や三島由紀夫、川端康成といった大正から昭和にかけての文豪について。上にあげた三名は、自ら人生に結末をつけたことでも知られている。著者が題材として選ぶにあたり、どういった基準を設けているのかは...
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『きけわだつみのこえ』の戦後史

本書を読んだ時期は、安倍内閣による安保関連法案審議で世論が大揺れの時期に重なる。私自身は集団的自衛権には反対の立場だ。とはいえ、現実を見ずに闇雲に戦争反対を唱えるつもりは毛頭ない。現実を見ることなしに戦争絶対反対を唱えることの無意味さは、今...
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空の中

本書、そして「塩の街」「海の底」を称して自衛隊三部作というらしい。著者にとっての出世作が図書館戦争シリーズであるとするならば、この3部作は助走に値する作品たちといえようか。いずれも自衛隊が登場し、人類を脅かす未知の現象に対峙する話である。も...
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山で失敗しない10の鉄則

私も不惑の年を過ぎ、アウトドア趣味の一つに、山登りを加えたいと思う。ここ1、2年ほど滝の魅力に惹かれている。一瞬として同じ姿を見せることのない滝。ただ流れ落ちるだけの様を見ているだけで、1、2時間は優に過ごせてしまう。もっといろんな滝を巡り...
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ブエノスアイレス食堂

ラテンアメリカ文学といえば、マジックリアリズムとして知られる。写実的な描写の中、現実ではありえない出来事が繰り広げられ、読者は著者の術中に喜んではめられる。本書もまた、マジックリアリズムの黄金の系譜に連なろうと目論む一冊といえる。というのも...
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光圀伝

「この印籠が目に入らぬか!」という、助さん角さんのお馴染みの台詞。この台詞は本書には登場しない。それどころか、白髭を垂らし、諸国を漫遊する黄門様の姿すら出てこない。その替わりに出てくるのは、権威を恐れぬ傾奇者としての、詩で天下を取らんとする...
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るり姉

本書の帯の裏表紙は、書店の実際の売場ポップをそのまま使っているらしい(梅原潤一氏・有隣堂 横浜駅西口 )。そしてそのポップが実によいのだ。帯にしたくなるのも分かるぐらいに。ポップ一つに私の云うべきことが凝縮されているといってもよい。このレビ...