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継母礼讚

先日、「官能の夢ードン・リゴベルトの手帖」についてのレビューを書いた。本書は、その前編にあたる。続編を先に読んでしまったため、なるべく早く本書を読みたいと思っていた。本書を読んで思ったこと。それは「官能の夢〜」が本書の続編ではなく、逆に本書...
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人類5万年 文明の興亡 下

541年。著者はその年を東西の社会発展指数が逆転し、東洋が西洋を上回った年として特筆する。それまでの秦漢帝国の時代で、西洋に遅れてではあるが発展を遂げた東洋。しかし「社会発展は、それを妨げる力を生み出す」パラドックスは東洋にも等しく起こる。...
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人類5万年 文明の興亡 上

本書は日本語版と原書英語版でタイトルが違っている。日本語版は以下の通り。『人類5万年 文明の興亡』原書ではこうなっている。『 Why The West Rules ― For Now』それぞれにはサブタイトルがつけられている。日本語版は『な...
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虚無回廊

巨星墜つ、の印象がとかく強かった著者の訃報。小説家として、イベントプロデューサーとして、精力的に活動した著者。その存在は巨大だったように思う。だが、私自身、著者の作品はそれほど多く読んでいない。多分10冊いくかいかないかではないか。今さらな...
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あなたの知らない福島県の歴史

郡山に出張で訪れたのは、本書を読む10日前のこと。セミナー講師として呼んで頂いた。そのセミナーについてはこちらのブログとブログで記している。この出張で訪れるまで、私にとって福島はほぼ未知の地だったと言っていい。思い出せるのは東日本大震災の二...
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海賊と呼ばれた男(下)

下巻では、苦難の数々を乗り切った國岡商店の飛躍の様が描かれる。大体、こういった伝記ものが面白いのは創業、成長時につきものの苦難であり、功成り名遂げた後は、起伏に欠けることが多く、自然と著者の筆も駆け足になってしまうものだ。上巻では敗戦によっ...
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画狂人 北斎

ここ一年、私にとって両国界隈はぐっと身近な場所となった。個人的に訪れるのは、江戸東京博物館や国技館、回向院、横網町公園やクラフトビールパブのpopeyeなど。そしてこの一年で、両国でお仕事のご縁も結ばせていただくことになった。今、私にとって...
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十字架は眩しく笑う

とても面白かった。こういうコメディ作品は大歓迎。本作はシチュエーション・コメディの王道を歩いている。シチュエーション・コメディといえば、一つの固定された場面の中で、登場人物たちが繰り広げるすれ違いや、行き違いから生まれる笑いを描く喜劇の形式...
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海賊と呼ばれた男(上)

20年ほど前に出光佐三の伝記を読んだ事がある。記録を確認したところ、1996年5月のことだ。なぜその時期に出光佐三の評伝を読んだのか。その動機はもはや記憶の彼方に飛んでしまった。だが、なんとなく想像できる。それは、当時の私が出光佐三の経営哲...
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静思のすすめ

今から三年ほど前、妻が奈良の仏像巡りにはまっていた。私は言うまでもなくもともと寺院巡りが好きな人。そんなわけで妻とは各地の寺院によく参拝していた。薬師寺に2年連続で訪れたのもこの頃。2014年正月に家族で薬師寺を訪れた。薬師寺といえば本尊薬...