読ん読く

読ん読く

アリス殺し

「このミステリーがすごい」で本書が上位に入っていたこともあって久々に著者の本をよんだ。夢の世界に起きた殺人が現実の世界にも影響を与える設定。これはSFでは有りそうな設定だが、ミステリーでは冒険だ。なぜ設定のような現象が起きるのか。そんな整合...
読ん読く

半分のぼった黄色い太陽

ラテンアメリカの作家や小説が好きな私。アフリカのことだって好きになれるはず。機会があればアフリカを描いた小説を読みたい、と思っていた。本書は私にとって、はじめて読むアフリカ人が書いた小説だと思う。本書の舞台はナイジェリアだ。ナイジェリアで1...
読ん読く

信長の血脈

著者の本を読むのは初めて。だが、ふと思い立って読んでみた。これがとても面白かった。本書はいわゆる短編集だ。大河が滔々と流れるような戦国の世。その大きなうねりの脇で小さく渦巻く人の営み。そんな戦国の激しくも荒くれる歴史のの中で忘れ去られそうな...
読ん読く

人工知能-人類最悪にして最後の発明

今や人工知能の話題は、社会全体で取り上げられるべき問題となりつつある。ひと昔前まで、人工知能のニュースは情報技術のカテゴリーで小さく配信されていたはずなのに。それがいつの間にか、人類が共有すべきニュースになっている。人工知能の話題が取り上げ...
読ん読く

王とサーカス

当ブログで著者の作品を扱うのは、本作が四作品目となる。二番目に読んだ『さよなら妖精』は、ユーゴスラビアからきた少女マーヤの物語だった。語学留学で日本にやって来たマーヤが日本の文化に触れ、クラスの皆と交流を深める様子を描いた一編だった。とても...
読ん読く

しろばんば

本書は著者の幼少期が取り上げられている。いわゆる自伝だ。著者は伊豆半島の中央部、天城湯ヶ島で幼少期を過ごしたという。21世紀になった今も、天城湯ケ島は山に囲まれ、緑がまぶしい。百年前はなおのこと、自然の豊かな地だったはずだ。その環境は著者の...
読ん読く

悪忍 加藤段蔵無頼伝

著者は戦闘シーンの書き方が抜群にうまいと思う。川中島合戦を描いた『天祐、我にあり』は戦闘シーンのダイナミズムを間近に感じられる力作だった。本書は戦闘をより個人的な行いとして描いた作品だ。忍。忍とは人目を忍んで仕事をし遂げるのが極意。本書でも...
読ん読く

東京大地震は必ず起きる

確信に満ちた力強いタイトル。地震が取り上げられた文章において、確信は避けられる傾向にある。なぜなら、地震予知は難しいから。急が迫っている場合ならまだしも、何年単位のスパンで確率が何パーセントと言われても、受け取る側に危機感はない。それどころ...
読ん読く

大人のための社会科 ー 未来を語るために

技術書を買いに来た本屋で、もう一冊経営に関する本を買い求めようとした私。ところがどうしてもビジネス書よりも人文科学書に目が移ってしまう。そして平積みになっている本書を見つけた。もともと新刊本はあまり買わない私。だがそれだけに買った本には愛着...
読ん読く

アラビアの夜の種族

これはすごい本だ。物語とはかくあるべき。そんな一冊になっている。冒険とロマン、謎と神秘、欲望と愛、興奮と知性が全て本書に詰まっている。アラビアン・ナイトは、千夜一夜物語の邦題でよく知られている。だが、私はまだ読んだことがない。アラジンと魔法...