読ん読く

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昭和天皇の終戦史

岩波書店は、注意深く覆い隠しているが、どちらかと言えば左寄りの論座を持っている。もちろんそれは悪いことではない。本書のタイトルから推測するに、昭和天皇の戦争責任についてある程度は言及し、認めているであろうことは予想していた。昭和天皇が崩御し...
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立花三将伝

2020年の夏に福岡へ出張した先のお客様が歴史に深い関心を持ち、立花宗茂を敬愛しておられる方だった。その方のお住まいも立花山城の近くだとか。伺った際に、歴史談義で大いに盛り上がってしまった。私もせっかくのご縁なので、図書館で見かけた本書を手...
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翳りゆく夏

本書は江戸川乱歩賞の受賞作だ。江戸川乱歩の受賞作はどの回の受賞作も出色の出来であり、読ませてくれる。本書もまた受賞作にふさわしい素晴らしい一作だった。本書を読んでもらえれば、その面白さはすぐに伝わることだろう。本稿をその結論で終えても良いが...
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日本史の内幕

著者のお顔はここ数年、テレビでよくお見かけする。テレビを見ない私でも見かけるくらいだから、結構よく出ているのだろう。そこで著者は歴史の専門家として登場している。著者の役割は、テレビの視聴者に対して歴史を解説することだろう。だが、ディスプレイ...
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賊将

『人斬り半次郎』に書かれた桐野利秋の生涯。本書はその前身となった短編『賊将』が収められた短編集だ。本書は著者が直木賞をとる直前に出され、まさに脂ののった時期の一冊だ。多作で知られる著者だが、著者のキャリアの早期に出された本書にも流麗な筆さば...
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サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ

サイゼリヤは私が上京してからよく訪れているレストランだ。さまざまな店舗を合わせると、百回近くは行っているはずだ。その安さは魅力的だ。そして味も常に一定のレベルの品質が保たれている。(一度だけ、わが家の近所の店であれ?ということはあったが)著...
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怒る富士 下

下巻では、富士の噴火によって人生を左右された人物のそれぞれの行動が描かれる。上巻にも書いたように、膨大な富士からの噴出物は、駿東郡五十九カ村を亡所扱いにした。亡所とはその地域からの年貢が不可能となり、その地の農民には年貢の義務を課さない代わ...
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怒る富士 上

わが国でも第一の霊峰富士。その姿はまさに日本のランドマークにふさわしい。だが、富士は古くから常にあのような白く秀麗な姿であり続けたわけではない。富士もまれに怒る。噴火という形で。最後に噴火してから三百年、富士山は鳴りを潜めている。前回の噴火...
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真田三代 下

下巻では第一次上田合戦から始まる。上田の城下町の全てを戦場と化し、徳川軍を誘い込んで一網打尽にする。それが昌幸の立てた戦略だ。それには領民の協力が欠かせない。なぜ領民が表裏比興の者と呼ばれた昌幸の命に諾々と従ったのか。「昌幸にはひとつの信条...
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真田三代 上

大河ドラマ『真田丸』は私にとってワクワクする作品だった。結局、第十数話目以降は挫折し、最後まで通して見ることができなかった。だが、機会があれば、もう一度見直してみたいと思っている。真田の物語の何に惹かれるのか。それは小さな勢力が大きな勢力の...