読ん読く 日本列島七曲り これこそ著者の毒がそこいらにまかれたスラップ・スティックの宝の山だ。著者にかかればタブーなどどこ吹く風。性も英雄も深刻な事件も政治も茶化してしまう著者の悪ノリが盛り込まれている。「誘拐横丁」複数のご近所家族が子どもを誘拐しあうぶっ飛んだ内容... 2019.12.12 読ん読く
読ん読く 古道具 中野商店 最近、めっきり古本屋を見かけなくなった。私にも関西や関東でいくつか思い浮かぶ古本屋がある。おそらくそうしたお店のほとんどは閉店してしまっただろうけど。最近も町田で高原書店という本好きには知られたお店が閉じてしまった。古本屋には特有の雰囲気が... 2019.12.07 読ん読く
読ん読く 密会 著者は不条理な状況を描かせたらいまだに名前の上がる作家だと思う。ただし、実際のところ、著者がなくなってから四半世紀が過ぎた。その作品の多くは新潮社のサイトを見る限りではまだ絶版にはなっていないようだが、諸作品はだんだんと忘れられつつあるよう... 2019.12.06 読ん読く
読ん読く 声の狩人 開高健ルポルタージュ選集 著者を称して「行動する作家」と呼ぶ。二、三年前、茅ヶ崎にある開高健記念館に訪れた際、行動する作家の片鱗に触れ、著者に興味を持った。著者は釣りやグルメの印象が強い。それはおそらく、作家として円熟期に入ったのちの著者がメディアに出る際、そうした... 2019.11.24 読ん読く
読ん読く 日本ふーど記 著者はエッセイストとして著名だが、著作を読むのは本書が始めて。最近はエッセイを読む機会に乏しい。それは発表されるエッセイやそれを産み出すエッセイストの問題ではなく、ネット上に乱舞するブログやツイートのせいだろう。エッセイもどきの文章がこれだ... 2019.11.19 読ん読く
読ん読く 鉄道と国家 「我田引鉄」の近現代史 旅が好きな私。だが、鉄道で日本を網羅するまでには至っていない。日本全国に張り巡らされた鉄道のうち、私が乗ったのはせいぜい5分の1程度ではないだろうか。今、鉄道が岐路に立っている。私が子供の頃、鉄道の網の目はさらに細かく張り巡らされていた。そ... 2019.11.15 読ん読く
読ん読く イマドキ古事記 スサノオはヤンキー、アマテラスは引きこもり 旅が好きな私。日本各地の神社にもよく訪れる。神社を訪れた際、そこに掲げられた由緒書は必ず読むようにしている。ところが、その内容が全く覚えられない。特に御祭神となるとさっぱりだ。神代文字に当てた漢字の連なりも、神の名前も、神社を出るとすぐに忘... 2019.11.08 読ん読く
読ん読く 平の将門 なぜ本書を読もうと思ったか。その答えは、単に時代小説が読みたくなったからにすぎない。だが、私と平将門の間に何の縁もきっかけもなかった、といえばウソになる。平将門の首塚に数回訪れたことがあるからだ。千代田区の丸の内にある首塚は有名だ。乱に敗れ... 2019.11.04 読ん読く
読ん読く 劇団四季と浅利慶太 本書を読む数カ月前に浅利慶太氏が亡くなった。演劇に一時代を築いた方の逝去とあって、盛大なお別れ会が帝国ホテルで催され、大勢の参列者が来場した。私も友人に誘われて参列した。すべての参列者に配られた浅利慶太氏の年譜には、演劇を愛する一人の気持ち... 2019.11.02 読ん読く
読ん読く 時をかける少女 筒井康隆展に行き、感銘を受けた事は『宇宙衛生博覧会』のレビューで書いた。筒井康隆展はファンにとってうれしい内容に満ちていた。会場には、今まで著者が発表してきた名作たちがさまざまな形で紹介されていた。その中でも一つの空間を占めていたのが本書だ... 2019.10.28 読ん読く