読ん読く

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心霊電流 上

ミステリに寄った三部作を出していた著者が、再びホラーに戻ってきたことでファンを喜ばせたのが本書だ。数年ぶりに出された本書は、ホラーの王道を行く作品となった。本書の凄まじさ。それは、ついに著者が神の問題に真っ向うから取り組んだことだ。これまで...
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スコッチウィスキー紀行

私がウイスキーの魅力にはまってから、長い年月が過ぎた。そのきっかけとなった日の事は今でも覚えている。1995年8月5日から6日にかけてだ。当時、広島に赴任中だった大学の先輩の自宅で飲ませてもらった響17年。この時に味わった衝撃から私は飲んべ...
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世界史を創ったビジネスモデル

本書は年始に書店で購入した。選書で450ページ弱の厚みは珍しい。見た目からボリュームがある。分厚い見た目に加え、本書のタイトルも世界史を掲げている。さぞかし、ビジネスの側面から世界史を網羅し、解き明かしてくれているはず。そう思って読んだが、...
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魔法のラーメン発明物語―私の履歴書

数年前、横浜にもカップヌードルミュージアムができた。私もそのニュースを聞いてから、家族を連れて何度も行こうと思っているが、いまだに伺えていない。本書はチキンラーメンを発明し、世界に即席めんを広めた日清食品の創業者、安藤百福氏による自叙伝だ。...
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任務の終わり 下

本書では、上巻で研がれたハーツフィールドの悪の牙が本領を発揮する。人々を自殺へと追い込む悪の牙が。ハーツフィールドの狡知は、旧式のポケットゲーム機ザビットのインストール処理を元同僚の女性に依頼する手口にまでたどり着く。そのインストールが遠隔...
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任務の終わり 上

『ミスター・メルセデス』から始まった三部作も本書をもって終わる。前作の『ファインダーズ・キーパーズ』のラストは、昏睡し続けるミスター・メルセデスことハーツフィールドの不気味な姿を暗示するかのようにして幕を閉じた。『ミスター・メルセデス』では...
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楽園のカンヴァス

本書は実に素晴らしい。あらゆる意味で端正にまとまっている。小説としての結構がしっかりしている印象を受けた。本書の主人公、織絵は、美術館の監視員というどちらかといえば裏方の役割を引き受けている。母と娘と共に暮らし、配偶者は登場しない。ところが...
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魔法の種

ノーベル文学賞を受賞した作家たちは、いつか読破せねばと思っている。著者はインドにルーツを持つ英文学の世界では有名な作家だ。そして、ノーベル文学賞の受賞作家でもある。それなのに著者の作品はいまだに読んだことがなかった。本書が初めてだ。著者の作...
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愚者の夜

本書は芥川賞を受賞している。ところが図書館の芥川賞受賞作品コーナーで本書を見かけるまで、私は著者と本書の名前を忘れていた。おそらく受賞作リストの中で本書や著者の名前は見かけていたはずなのに。著者には申し訳ない思いだ。だからというわけじゃない...
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盤上の夜

本書は、友人に貸してもらった一冊だ。友人宅に遊びに行った際、本書をお勧めとして貸してくれた。お勧めされただけあって、本書はとても素晴らしい内容だった。本書が取り上げているのは、有名なボードゲームだ。将棋、囲碁、チェッカー、インドの古代将棋、...