読ん読く

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叫びと祈り

本書は毎年末に恒例のミステリーのランキングで上位に推された。連作の短編集である本作は、著者の処女作。初めての小説で上々の評価を得た著者の実力は確かだと思う。実際、本書はとても面白い。ミステリーの骨法をきちんと備えている。語りの中にときおり詩...
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パニック・裸の王様

本書も、開高健記念館に行った後、著者の作品を読み通そうと思って読んだ一冊だ。著者に芥川賞を授けた出世作でありながら、私はおそらく本書を読むのは初めてだと思う。どの作品も、人の営みとその巨大な徒労が書かれていてとても興味深い。「パニック」動物...
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最軽量のマネジメント

「天津飯の謎」が献本していただいた本だとしたら、本書は店頭で著者から手渡しで受け取った本だ。本書を購入したのはCybozu Days 2019の会場。二日間にわたった祭典の最終日、閉場時間にぎりぎりのタイミングでサイボウズ商店(サイボウズ社...
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天津飯の謎

コロナが始まった頃、逼塞を余儀なくされた人々は、さまざまな試みでこの状況をやりすごそうとした。7日間ブックカバーチャレンジはその一つ。Facebook上で指名を受け、自分が選んだ七冊の本を紹介するとともに、次の方を指名するというものだ。私は...
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ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻

二冊続けてジーヴズの事件簿を読む。そもそも、本文庫に収められたジーヴズものは、前作の才智縦横の巻と、本書からなっている。だが、訳者による本書のあとがきによれば、ジーヴズものの短編の数は、数え方によってまちまちだが34編から79編まであるそう...
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ジーヴズの事件簿 才知縦横の巻

本書は妻がはまっていた。面白そうなので私も貸してもらった。実際、とても面白かった。私は無知なことに、本書の主人公ジーヴズや著者の存在を知らなかった。かつてイギリスの推理小説はいろいろと読んだが、その時もジーヴズのことは知らずにいた。私の知ら...
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わたしの名は赤 下

本書のすごさ。それは本書がイスラム文化に押し寄せる西洋文明の脅威、つまり、一つの文化の変動と新旧の世代が入れ替わる痛みを描きながら、それでいてエンターテインメントとしても一級であることだ。本書は冒頭で細密画師の殺害は誰によるか、という謎を提...
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わたしの名は赤 上

本書は、著者の名をノーベル文学賞受賞者にまで高めた一作だ。トルコにルーツを持つ著者の文化的なバックボーン。それはイスラム教であり、イスラム文化である。今でこそ、世界は長らく西洋のキリスト教が優位に立ってきた。だが、歴史を紐解くと、かつてはイ...
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遠い山なみの光

著者がノーベル賞を受賞したことは実に喜ばしいニュースだった。それまでにも何冊か著者の作品を読んできた私。著者の作品に通ずるどことなく薄暗い雰囲気にスコットランドの荒涼とした土地を勝手に思い描いていた。私にとって憧れの地、スコットランド。その...
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果しなき流れの果に

本書は、世田谷文学館で開催されていた「小松左京展-D計画」で購入した。同展の中で本書は著者の膨大な作品群の中でも一つの到達点であると紹介されていた。それにもかかわらず、私はまだ本書を読んでいなかった。これは読まなければ、とミュージアムショッ...