映画を観、思いを致す

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爆心 長崎の空

「長崎」という名を聞くと、日本史に興味を持つ者の心には、様々な想いが湧く。それは、荒ぶる戦国の中に宗教に救いを求めた衆生に対してであり、世界の宗教史でも特筆される真摯な殉教者たちへの共感であり、国論が揺れた幕末に海外に雄飛を企んだ英傑につい...
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天使の分け前

スコッチウィスキーや、スコットランドの荒涼とした景色に憧れのある私にとって、本作でスクリーンに映される本場の蒸留所内部やハイランドの景色は、それだけで及第点を与えられる。本作を見るにあたり、労働者階級の若者が這い上がっていく姿が描かれている...
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華麗なるギャツビー

原作を読んだのが10数年前で、かなりストーリーも忘れつつあり、ラストの哀しみだけが印象に残っていた。本作はあのムーラン・ルージュを撮った監督が手掛けると聞き、20年代の浮かれたアメリカの豪華絢爛さが画面にこれでもかと再現されるのかと、期待と...
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藁の楯 わらのたて

とにかく俳優陣の演技が素晴らしい。とくに主人公演ずる大沢たかおさんは、プロ意識と個人的な思いの狭間で葛藤する様が見事である。護送する側の5人のそれぞれに抱えた職務への責任と、内に隠した事情を隠してのせめぎ合いは、不自然さを少しも感じさせない...
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名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)

夜だったこともあってか、子供連れはほとんど見られず、我が家ぐらいのものである。だが、逆にそれは本作が大人の鑑賞にも耐えられるものであることを示している。本作ではイージス艦の機密をめぐるスパイ・サスペンスの作風で一貫しており、本格ミステリを期...
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007 スカイフォール

ダニエル・クレイグ主演になってからの007シリーズは、アクション映画の本流っぷりを発揮してくれており、毎回映画館に見に行っている。本作でもそのワイヤーアクションっぽくない。正統派のアクションシーン満載で、予告編に流れるショベルカーで列車を破...
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のぼうの城

原作は既読で、某所に書いたレビューには以下のように書いた。>何よりも話の筋として肝心な成田長親の性格の多彩な点、陰影>を書くことに成功している。映像作品に対して小説がなしうる>意義を、目に見えない心のうちを描くことにあると定義するな>らば、...
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おおかみこどもの雨と雪

全くの事前知識なしで家族と見に行った。アルプスの少女ハイジのような大人も楽しめる子供向け映画を想像していたのだが、予想とは違い、子を持つ大人向けに訴えかけるものがあったように思う。アニメはジブリアニメを見る程度で、それほど詳しくないのだが、...