2020-03

読ん読く

ノックス・マシン

本書のように、読み手の認識の上手を行く小説に出会うと興奮させられる。脳の使っていない領域が刺激されるからだろう。芥川賞作家の円城塔氏の作品を読んだ時にも似た感覚。本書は、推理小説の枠組みの中で読み手の認識を試しにかかることがなおさら興味深い...
読ん読く

労働基準法と就業規則

平成三十一年を迎えた新年、令和の時代を間近に控え、私は自分の経営する会社に社員を雇う事を真剣に検討していた。人を雇うといっても簡単なことではない。ましてや、十数年の間を一人でやっていく事に慣れてしまった私にとって、雇用にまつわる諸々の責任を...
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水晶 他三篇

アーダルベルト・シュティフターという著者のことを、私は本書を読むまで知らずにいた。著者は詩人や小説家としても名を残しているが、画家としてもよく知られているようだ。19世紀の前半、1805-1868年を生きたこの作家は、当時オーストリアに属し...