2017-09

読ん読く

画狂人 北斎

ここ一年、私にとって両国界隈はぐっと身近な場所となった。個人的に訪れるのは、江戸東京博物館や国技館、回向院、横網町公園やクラフトビールパブのpopeyeなど。そしてこの一年で、両国でお仕事のご縁も結ばせていただくことになった。今、私にとって...
読ん読く

十字架は眩しく笑う

とても面白かった。こういうコメディ作品は大歓迎。本作はシチュエーション・コメディの王道を歩いている。シチュエーション・コメディといえば、一つの固定された場面の中で、登場人物たちが繰り広げるすれ違いや、行き違いから生まれる笑いを描く喜劇の形式...
読ん読く

海賊と呼ばれた男(上)

20年ほど前に出光佐三の伝記を読んだ事がある。記録を確認したところ、1996年5月のことだ。なぜその時期に出光佐三の評伝を読んだのか。その動機はもはや記憶の彼方に飛んでしまった。だが、なんとなく想像できる。それは、当時の私が出光佐三の経営哲...
読ん読く

静思のすすめ

今から三年ほど前、妻が奈良の仏像巡りにはまっていた。私は言うまでもなくもともと寺院巡りが好きな人。そんなわけで妻とは各地の寺院によく参拝していた。薬師寺に2年連続で訪れたのもこの頃。2014年正月に家族で薬師寺を訪れた。薬師寺といえば本尊薬...
読ん読く

運命の人(四)

三巻の終わりでは、絶望し世を捨てようとする弓成元記者の姿が描かれた。続いての本書は、命を永らえた彼が沖縄で暮らすシーンで幕を開ける。彼が向かったのは沖縄。それも本島ではなく、さらに離れた伊良部島だ。福岡生まれの弓成元記者は、何ゆえ沖縄へ渡っ...
読ん読く

運命の人(三)

第三巻では、優秀な弁護団の奔走によって弓成記者に無罪の判決が下る。弓成記者の無罪判決の一方、三木秘書は情報を漏洩させた罪が認定され、執行猶予つきの有罪判決がくだされる。表面的には報道側の勝利。ペンは権力には決して屈しないように読める。だが、...
読ん読く

運命の人(二)

一巻で逮捕された弓成記者。数週間の拘留を経た後に釈放される。一方、三木秘書はより長く拘留され、情報漏洩の罪が自分にあると全面的に供述する。そんな三木秘書に対し、弓成記者は一貫して罪を認めぬように、と強く伝える。しかし、拘留されたことが三木秘...
映画を観、思いを致す

関ケ原

私は、戦国武将の中でも石田三成に自分と近いものを感じている。今までに関ヶ原は三回訪れた。三回とも笹尾山の石田三成本陣には訪れたが、桃配山には一度も行っていない。桃配山とは徳川家康が最初に本陣とした山だ。また、最後に関ケ原を訪れた際は、妻と二...
読ん読く

運命の人(一)

報道のあり方。それはジャーナリズムにとって常に問われる課題だ。ジャーナリズムには二つの権利がついて回る。それは、大衆が知る権利とニュースを発信する権利。その二つは限りなく近く、表裏の関係だ。だが同じ権利ではない。大衆が知る権利とは受身の権利...