読ん読く 天上の青 下 上巻を通して宇野富士男の性格は充分すぎるほど読者に披露された。一見すると穏やかそうに見えて話も達者。だが、一度、自分に都合の悪いことが起こると気の短さが爆発し、見境のない行動に走る。そういう性格の持ち主は、権威にも激しい敵意を示す傾向にある... 2017.07.31 読ん読く
読ん読く 天上の青 上 映画『羊たちの沈黙』で一躍有名になったのが、プロファイリングという言葉だ。犯罪現場を詳細に分析することで犯行の手口や犯人像を類推し、捜査にいかす手法。シャーロック・ホームズの捜査手法を現代風に置き換えたと言えば乱暴か。残虐な連続殺人犯をシリ... 2017.07.30 読ん読く
読ん読く 戦士の遺書-太平洋戦争に散った勇者たちの叫び 太平洋戦争を戦った軍人。その数は尉官以上の階級に限っても相当の数になるはずだ。軍人もまた人である。人である以上、それぞれに違う人格と人生がある。しかし敗戦は将官も尉官も関係なく、軍人を十把一絡げにして責任を負わせた。もちろん負けた以上は軍人... 2017.07.26 読ん読く
読ん読く ルーズヴェルト・ゲーム アメリカのルーズベルト大統領は、 野球の試合で一番面白いスコアは8対7だ、という言葉を残したという。本書のタイトルの由来はそこから来ている。私は本書を読むまでこの挿話を知らなかった。本書で著者が取り上げたのは社会人野球だ。青島製作所という中... 2017.07.23 読ん読く
読ん読く 人斬り半次郎 賊将編 中村半次郎として意気も溌剌とした幕末編から一転、桐野利秋として戦塵の中に倒れるまで、あと十年と少し。本書は、維新の激動が半次郎の心に生じさせた変化を露にしつつ始まる。維新に向け、半次郎の命運は下るどころか、はた目にはますます盛んだ。上巻の終... 2017.07.20 読ん読く
読ん読く 人斬り半次郎 幕末編 本書を手に取ったのは、「桜華に舞え」という舞台がきっかけだ。宝塚歌劇団星組のトップ退団公演。その公演で退団する北翔海莉さんが扮したのが、人斬り半次郎こと桐野利秋である。「桜華に舞え」は劇団の演出家によるオリジナル脚本であり、本書は原作として... 2017.07.16 読ん読く
読ん読く 澄みわたる大地 魔術的リアリズムの定義を語れ、と問われて、いったい何人が答えられるだろう。ほとんどの方には無理難題に違いない。ラテンアメリカ文学に惹かれ、数十冊は読んできだ私にも同じこと。魔術的リアリズムという言葉は当ブログでも幾度か使ってきたが、しょせん... 2017.07.13 読ん読く
読ん読く 喜嶋先生の静かな世界 著者の本は一時期よく読んでいた。よく、と言っても犀川シリーズだけだったけど。犀川シリーズとは、那古野大学の犀川助教授とゼミ生である西之園萌絵が主役のシリーズ。本稿を書くにあたり、著者のWikipediaを拝見したところ、犀川シリーズをS&M... 2017.07.10 読ん読く
読ん読く 黙示録 著者の作品を読むのは『テンペスト』以来久しぶりとなる。テンペスト 上 レビューテンペスト 下 レビューなぜ4年も遠ざかっていた著者の作品を読もうと思ったか。それは、著者の作品に魔術的リアリズムがあるとの評を見掛けたためだ。先日、寺尾氏の『魔... 2017.07.08 読ん読く
読ん読く 人間臨終図鑑II 本書では享年五十六歳から七十二歳までの間に亡くなった人々の死にざまが並べられる。五十六歳から七十二歳まで生きたとなれば、織田信長の時代であれば長生きの部類だ。当時にあっては長寿を全うしたともいえる。人生の黄昏を意識し始めた人々は、死に際して... 2017.07.06 読ん読く