2016-08

舞台を観、想いを致す

桜華に舞え/ロマンス!!

今年初の観劇となったのは、宝塚歌劇団星組演ずる本作だ。本作はまた、星組トップの北翔海莉さん、妃海風さんの退団公演でもある。そんな退団公演の題材として選ばれたのは、意外にも桐野利秋。 桐野利秋とは日本陸軍の初代少将であり、南州翁こと西郷隆盛に...
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佐藤家の人びと―「血脈」と私

本書は本来なら血脈各巻の解説として巻末に附されるべきものだ。しかし、上中下巻あわせて原稿用紙3400枚ともいう大作「血脈」。その解説には、語り尽くすべき内容が多すぎる。多彩な登場人物、無数のエピソード、何箇所もの舞台。一族の大河を描いた34...
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血脈(下)

洽六亡き後、佐藤家の棟梁は八郎に移る。サトウハチローとしての名声を確立した八郎だが、私生活は放恣そのもの。子供達も放ったらかしで、気ままな人生を歩む。裸で過ごす夏。寝そべったまま書いては発表する文章。 ヒロポンに頼る日々。洽六と節がいなくな...
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また一人昭和30年代の野球を知る方が・・・

8月14日、野球評論家の豊田泰光氏の訃報が飛び込んできました。享年81歳。豊田氏は昭和30年代のプロ野球を知る上で欠かせない人物です。昭和30年代のプロ野球を語るには西鉄ライオンズは外せません。豊田氏は黄金期の西鉄ライオンズの主軸として必ず...
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血脈(中)

中巻では、久が心中した後の佐藤家の日々が描かれる。本書の全体を通じて言えることだが、佐藤家の血脈を書き記すにあたり、著者は様々な人物の視点を借りる。本書第一章でもそれは同じ。「兄と弟」と銘打たれている本章だが、視点は八郎と節だけに留まらない...
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血脈(上)

西宮ブログというブログがある。故郷の様子を知るための情報源としてたまに拝見している。西宮ブログでは複数の常連ブロガーさんによる書き込みがブログ内ブログのような形で設けられている。常連ブロガーさんは、それぞれの興味分野について徒然に自由に記し...
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繁栄の昭和

いつの間に筒井御大の最新作が出ていたのを見逃していた。不定期的にWeb連載されているblog「偽文士日録」1、2ヶ月に一度はチェックしているのに。不覚。本書は短編集である。題名を見ただけでは高度成長期の日本を舞台にした内容と思う向きもあろう...
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夢幻花(むげんばな)

本書を読み終えた頃、街中には映画「天空の蜂」の封切り直前のポスターが貼り出されていた。駅や映画館で見かける「テロリストによって人質となった原発」というコピーは私の目を引いた。言うまでもなく、本書の著者は「天空の蜂」の原作である同名小説の著者...
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オバマ大統領の謝罪を経ての原爆忌

毎年この時期が来ると必ず原爆関連の写真集やその他書籍に目を通します。私自身が平和記念資料館を訪れた際、何を感じ何を目に焼き付けたのか。あの夏の朝、何が人類に起こり、何を人類は行ったのか。その記憶を新たにするため、この時期は広島・長崎への原爆...
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冷血(下)

上巻の終わりで犯人は逮捕され、物件証拠も状況証拠もともに揃いつつある。ほとんどの推理小説は犯人逮捕で終わるか、もしくは法廷劇へと場面を移す。しかし、現実の警察の仕事は犯人逮捕で終わる訳ではない。警察の仕事は続くのである。また、法廷は検事が起...