2016-07

物申す

今上天皇の生前譲位から思ったこと

今上天皇が生前譲位の意思を漏らされたとのスクープが世を舞っています。嘘か真かは、宮内庁からの発表や天皇陛下ご自身のご発言を待つほかありません。でも、その噂にはゴシップや憶測よりも真実に近い色を帯びていると思うのは私だけではないでしょう。そこ...
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空の中

本書、そして「塩の街」「海の底」を称して自衛隊三部作というらしい。著者にとっての出世作が図書館戦争シリーズであるとするならば、この3部作は助走に値する作品たちといえようか。いずれも自衛隊が登場し、人類を脅かす未知の現象に対峙する話である。も...
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山で失敗しない10の鉄則

私も不惑の年を過ぎ、アウトドア趣味の一つに、山登りを加えたいと思う。ここ1、2年ほど滝の魅力に惹かれている。一瞬として同じ姿を見せることのない滝。ただ流れ落ちるだけの様を見ているだけで、1、2時間は優に過ごせてしまう。もっといろんな滝を巡り...
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ブエノスアイレス食堂

ラテンアメリカ文学といえば、マジックリアリズムとして知られる。写実的な描写の中、現実ではありえない出来事が繰り広げられ、読者は著者の術中に喜んではめられる。本書もまた、マジックリアリズムの黄金の系譜に連なろうと目論む一冊といえる。というのも...
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光圀伝

「この印籠が目に入らぬか!」という、助さん角さんのお馴染みの台詞。この台詞は本書には登場しない。それどころか、白髭を垂らし、諸国を漫遊する黄門様の姿すら出てこない。その替わりに出てくるのは、権威を恐れぬ傾奇者としての、詩で天下を取らんとする...
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るり姉

本書の帯の裏表紙は、書店の実際の売場ポップをそのまま使っているらしい(梅原潤一氏・有隣堂 横浜駅西口 )。そしてそのポップが実によいのだ。帯にしたくなるのも分かるぐらいに。ポップ一つに私の云うべきことが凝縮されているといってもよい。このレビ...
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鉄の骨

一世を風靡した半沢直樹による台詞「倍返しだ!」。文字通り倍返しに比例するように著者の名前は知られるようになった。著者の本が書店で平積みになっている光景は今や珍しいものではない。自他ともに認める流行作家といえよう。とはいえ、私の意見では著者は...