2016-05

旅マップ

福崎の町に日本民俗学の礎を求めて

4月に福崎を訪れました。福崎と言えば、日本民俗学の泰斗として著名な柳田國男氏の出身地です。昨秋、友人たちと横浜山手の洋館巡りをした際、神奈川県立文学館で催されていた柳田國男展を訪れました。ただ、入館した時点ですでに閉館時間まで1時間しかなく...
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新訂 妖怪談義

日本民俗学の巨人として、著者の名はあまりにも名高い。私もかつて数冊ほど著書を読み、理屈に収まらぬほどの広大な奥深さを垣間見せてくれる世界観に惹かれたものである。本書は著者の多岐に亘る仕事の中でも、妖怪に視点を当てたものとなる。妖怪といえば、...
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虚像の道化師 ガリレオ 7

幻惑す まどわす心聴る きこえる偽装う よそおう演技る えんじるこれは本書の各編につけられた題である。四編からなる今回のガリレオは、このように二字熟語に送り仮名を振った題が付されている。つまりは造語であり、当て字である。ガリレオシリーズは、...
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食堂かたつむり

本書は実際に読んだほうがいい。読んで、じっくりと味わったほうがいい。そして、食べることの意味をかみしめた方がいい。本書はそんな小説だ。インド人の彼氏にある日突然捨てられた倫子。ふるさとに帰り、私生児として産んでくれたものの、心が全く通わない...
地域コミュニティ

淡路島に地方創生の未来を見た

先日、4/23に淡路島に行って来ました。淡路島といえば兵庫県。私の故郷です。海峡を挟んだ明石は父の出身地であり、つい数年前まで祖父母が住んでいた地です。淡路島は国産み神話の息づく、花咲く島としても知られています。しかし、そんな身近にありなが...
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掌の小説

新感覚派。文学史では著者をさしてそのように呼ぶらしい。現代の我々からみると、著者を新感覚派と呼ぶことには抵抗を感じる。むしろ古き良き日本を代弁する作家という印象がある。ノーベル文学賞の受賞スピーチの題「美しい日本の私」を地で行くかのように。...
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官能の夢―ドン・リゴベルトの手帖

本書は著者の「継母礼賛」の続編にあたる。不覚にも私がそのことを知ったのは本編を読み終えてから。訳者によるあと書き解説で知ることになった。本編でも読者承前を踏まえたような書き方がしてあり、私はそれを著者一流の自在に読者を迷わせる迷宮的な手法と...
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夕暮れをすぎて

著者の本国アメリカでは、本書は「Just After Sunset」という短編集として出版された。日本ではそのうち前半部が本書となり、後半部は「夜がはじまるとき」として出版されている。どういった契約になっているのかは知らないが、著者の短編集...