2013-02

読ん読く

悪の教典 下

上巻がジェットコースターの徐々に登り詰める緊迫感にあるとすれば、下巻はひたすらに下り堕ち、滑り逝く、激走である。前半の心理戦とは打って変わって、後半は肉弾戦であり、アクション映画ばりの銃撃戦が展開される。校舎内での大量殺戮の描写に費やす筆力...
読ん読く

悪の教典 上

著者の作品はかなり読んできたつもりである。各著作に共通して思うのは、物語舞台の地理感覚を大事にしているということ。舞台がそこでなければならない、という必然は設定上あまりない。しかし、一旦ここと定めた舞台に対しては描写を惜しまない。そのため、...
読ん読く

シューマンの指

あまりジャンル分けには意味はない、と頭では分かっている。分かっているのに、無意識にジャンル分けをしている自分。小説を読みながらそんなことを自覚するのもどうかと思う。おそらくは作家についても同じことがいえるだろう。ジャンル分けされたくない、と...