読ん読く 小暮写眞館 人生の各情景を切り取って、小説の形に世界を形作るのが小説家の使命だとすれば、仮想世界が徐々に幅を利かせつつある現状について、彼らはペンでどう対峙し、どの視点から情景を切り取っていくのだろうか。そんな疑問に対する一つの答えが本書である。小暮写... 2012.09.30 読ん読く
読ん読く 震度0 警察内部というよりも組織の中で戦わねばならぬ閉じた世界のやるせなさ。仕事場だけでなく家庭にも裏表を持ち込む組織内の争いの陰惨さを描き出そうとした著者の意図がくみ取れる。震度0というタイトルには様々な意味を込めてのものであろうが、それは、表だ... 2012.09.30 読ん読く
読ん読く 国鉄スワローズ1950‐1964―400勝投手と愛すべき万年Bクラス球団 プロ野球史に興味を持つものとしては、国鉄スワローズの名前は避けては通れない。国とプロ野球という今では考えられない組み合わせもさることながら、400勝金田投手の名前が残る限り、必ず言及されるからである。晩年こそ名球会会長を追われる形で辞任した... 2012.09.29 読ん読く
映画を観、思いを致す おおかみこどもの雨と雪 全くの事前知識なしで家族と見に行った。アルプスの少女ハイジのような大人も楽しめる子供向け映画を想像していたのだが、予想とは違い、子を持つ大人向けに訴えかけるものがあったように思う。アニメはジブリアニメを見る程度で、それほど詳しくないのだが、... 2012.09.24 映画を観、思いを致す
読ん読く すべての美しい馬 少年と青年を隔てるものがなにか、という主題について近代文学では、幾多の作家が採り上げてきた。大部分の人は少年から青年への移り変わりに気付かず、青年になって初めて自分が何を失い何を背負ったかを知る。そして、社会に囲われ時代に追われる自分を突き... 2012.09.19 読ん読く
読ん読く 追想五断章 残された遺作短編を元に、作者の素性と、そこに隠された事情を探っていく内容。と書くと凡庸な内容のように思われるかもしれないが、遺作短編5編の内容に工夫をこらし、読者の予想を裏切る方向へ結末を進めていく筆力は見事である。遺作短編5編の内容がいず... 2012.09.17 読ん読く
読ん読く マルドゥック・スクランブル〈改訂新版〉 SFを読まなくなってだいぶ経つのだが、面白い作品に巡り会えず読まなくなったのではない。むしろSFこそは想像力の限りを尽くして世界観を構築する刺激的なジャンルだと思っている。それゆえに読者にもその技術に裏打ちされた世界観を理解することが求めら... 2012.09.17 読ん読く