2012-02

読ん読く

そうか、もう君はいないのか

巻末の児玉清さんの解説にすべてが書かれている。本文でも静かな共感と感動が、そして読み終えた終わった後には児玉さんの文章にまた心を動かされる本である。著者が亡くなった後に、依頼を受けて書いていたという奥様とのなれそめや思い出を綴った原稿を、残...
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運を天に任すなんて―人間・中山素平

自分が政治の世界に身を置いてみたところで、彼らを凌ぐような実績を残せる域にはまだ達していないと思うだけに、今の政治家の体たらくについてはあまり批判したくはないけれど、戦後の日本の高度成長を支えてくれた先達と比較して、これはという巨星が少ない...
Excel

Excelのシート CodeNameからNameを導き出す

VBAでExcelのシート名を参照する際に、CodeNameからシート名を導き出す必要が生じました。ネットに当ってみたのですが、よい例がなく、自分でプロパティを探して表示させるようにしました。あまりWebには掲載されていないようなので、メモ...
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鹿男あをによし

デビュー二作目にして、この世界観の飛躍もさることながら、この筆力の充実ぶりといったら。発想も大枠自体はそれほど突飛でもないのだけれど、細かい部分での描写や動きが自由な発想で楽しめる。それは終盤で明かされるとあるアイテムの正体や、それぞれの登...
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孤闘―立花宗茂

柳川のお堀めぐりを堪能したのは、今から17年前。大学の面々数人で廻った柳川の街並みは今も覚えており、再訪したい場所の一つ。のんびりとした舟旅の中、行く先々の景色も良かったが、お堀めぐりの終盤に現れる、御花の広大な様子も印象深いものがある。と...
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悪貨

純文学作家としてのイメージが強い著者だが、本書では思い切ってエンタテインメントな作風に挑戦している。初期の作品でもサヨクという言葉を使用しているように、資本主義経済に対する懐疑の念を根底においた作家活動を行っているように思っていた。本書にお...
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談志絶倒 昭和落語家伝

最近はさほどでもないけれど、以前はよく落語の台本集を読んでいた。ところが、私いわゆる寄席での落語体験はまだだったりする。体育館やホールなどでは何度か聞いたこともあるし、真打の方と年賀状のやりとりもあったりする。なのに。なんだかよくわからない...
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ポトスライムの舟

芥川賞の受賞作には、ちょっと目を引くような小道具がアクセントに使われることが多いように思う。本書においてはそれがポトスライムなのだろうけど、あくまでその立場は物語の背景を彩るアクセサリー的な感じ。物語の時間軸の流れを分かり易くしめすためだけ...
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昭和史七つの謎〈part2〉

歴史に対するバランス感覚を大切にする著者の歴史観を支持する私は、本書を読んでもその期待が裏切られないことに安心しつつページをめくった。本書では「東条英機に利用されたゾルゲ事件」「明かされる「大本営発表」の歪みと嘘」「「陸軍中野学校」の真の姿...
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鴨川ホルモー

関西人として、京都には何度か行っているわけだけれど、大学の配置からこのような物語が紡ぎ出されようとは・・脱帽である。私は大学生活を描いた小説には弱く、読むたびにかつての自分を思い出してしまう訳だけど、この小説も大学生活を描いている割にはそう...