9:00-10:00
小田急線で新宿へ。そこから埼京線の通勤快速で大宮へ。道中、並走する東北新幹線を意識する。まもなくこれに乗って東北へ行く。ビジネスの旅とはいえ、高揚する思いは旅の始まりのそれと同じだ。不安は微塵もない。
10:00-11:00
10:06発のやまびこ45号に首尾よく乗車。宇都宮に停まると次が郡山。わずか二駅の旅。とはいえ、旅情に浸る間も惜しんでプレゼン資料の最終チェックを行う。文字の字切れや不鮮明箇所はないか、話す内容の構成に破綻はないか。うん。問題ないようだ。チェックの最中にも、ケータイ国盗り合戦も併せてチェック。特に宇都宮以北は未踏の地であり、全てが初制覇だらけなのだから。那須を過ぎると急にあたりの光景は山あいのそれへと変わる。自分のビジネスキャリアが今まさに白河の関を越えようとしている事を実感する。空は青く、たなびく雲は白い。不思議なほど緊張していない自分がいる。むしろワクワク感のほうが強い。
11:00-12:00
郡山到着。早速荷物を担いで駅コンコースへ。で、でかい・・・私の想像よりもかなり立派なコンコース。長野や仙台、盛岡のような県庁所在地の駅に降り立ったような感がある。郡山という街を軽くみていたのかもしれない。想像していた以上に大規模な駅のようだ。そして、そんな驚きは駅前広場でさらに強まる。堂々たる駅の面構え。駅前広場に集っては散るバス達。広場には滝が流れ、ベンチでくつろぐ人々にすら田舎の日向ぼっこの雰囲気は皆無。都会のベンチでくつろぐ人々のそれだ。
おや? 駅前広場に手形が・・・何やろ? あ、Greeeenの。あ、そうか、Greeeenって郡山か。この鮮やかな緑のドアは、何かのオブジェかな? あ、Greeeenにちなんだドアやった。セミナーに先立って郡山に縁のある人物や作品を調べてきたつもりが、すっかりGreeeenが抜けていた。そういえばミューカルとかいう音楽ホールも郡山にはあったような・・・
福島到着の第一印象は、駅の玄関口としての威容である。このような立派な面構えの駅前から受ける印象は都会以外の何物でもない。このような都会の商工会議所でセミナーを務めさせていただくことにあらためて襟を正す思いでまざっせプラザへと向かう。
まざっせプラザへは、レンタサイクルを借りるために向かった。事前に調べたところではまざっせプラザは郡山の観光案内所のような役割を担っているとか。自転車の予約空き状況も調べたところ、借りられそうだったので事前予約はせずに訪問。 開店早々だったのでまだお客様もおらず暇だったのだろうか。スタッフのお兄さんがとても親身に対応してくださった。郡山が初めての私に、惜しみなく情報を提供してくださる。開成館に行きたいというと、「お目が高い」とお褒めの言葉を頂戴してしまった。そして、夜のお勧め飲み屋や、郡山に来たならこれを食べてほしい、というクリームボックスの情報までも。もちろん、飲み屋のことは知らなかったし、クリームボックスも初耳。まざっせプラザでこうも親切な助言に触れたことで、幸先よく郡山に溶け込めそうな感触を受けた。まざっせプラザのお兄さんには感謝しないと。 https://www.mazasse.com/
さて、郡山の足を手に入れた私。この時点ですでに時間は11:30近く。13:00には郡山商工会議所に伺うお約束。しかも、一番大きいスポーツバッグが自転車の籠に入らないことが判明。お兄さんからは近くのうすい百貨店の地下にコインロッカーがあるという有益情報が。この情報もすごく助かった。
うすい百貨店へ。そして私は、ここでも郡山の人の親切心に触れることになる。入り口から地下に降りるとよくデパートにある大きなガラス戸がある。そしてその戸は閉まっていた。大きな荷物を持った私が戸を開けようとする間もなく、向こうからやってきた通りすがりのお姉さんが開けてくださったのだ。しかも、私がお礼したところ、「どういたしまして」とちゃんと言葉で応答がある。こういう何気ない動作に、郡山の皆様の民度と人柄が表れる。惚れてまうやろ~郡山~♪
さて、身軽になった私は、一目散に駅前大通りを西へ。目指すは開成館。でも、途中で大友パンに寄らねば!まざっせプラザのお兄さんからはガイドブックに載っている何店舗かのクリームボックスの扱い店を教えていただいた。中でも発祥の地である大友パンがおすすめだとか。地図を見たところ、大友パンは具合のいいことに開成館への道の途上にある。これは寄らねば!そしてクリームボックスを昼飯にしようではないか!
大友パンに着いた私は、早速クリームボックスを購入。プレーン味とカフェオレ味の二種類。食パンの上に、たっぷりとクリームを乗せたその姿は、他の地域では見られないインパクト。なるほど、確かに名物を謳うだけのことはあるなぁ。Retty
食料も調達できたことだし、あとは開成館へと向かうだけ。道中、マンホールの写真を撮りながら、自転車をこぎ続け、無事開成館へ到着。結局着いたのは12:00頃だった。
なぜセミナー前のわずかな時間に開成館に来ようと思ったか。その理由は二つある。一つは、マンホールカードの配布場所が開成館だったから。セミナーの自己紹介の際に「つかみ」としてマンホールカードの実物をぜひお見せしようと思った。そしてもう一つの理由は、郡山の街の風土を知るのに、安積開拓の生き証人である開成館を見るのがよいと思ったから。初めてお会いする方々の前でセミナーを始めるに当たっては、最低限その街のことを知っておくのが礼儀と思う。なので、たとえ1時間半しか余裕がなかろうと、自分の脚と眼で開成館を見、安積開拓の苦労と、その後の発展のきっかけを知りたいと思っていた。
↑今回、開成館で入手したマンホールカードについてはこちらのブログに記載しています。
12:00-13:00
上に紹介したブログにも書いたが、開成館の入り口にはマンホールカードが飾られている。「欲しいのですが」という私の言葉に受付のおじさんは快く応じてくださった。そればかりか、台紙までつけてマンホールカードについてのご説明をしてくださる。その台紙にはもう一箇所、郡山で配布するもう一枚のマンホールカードを挟み込むスペースがある。そのもう一枚の入手先である湖南公民館への行きかたを一生懸命に説明するおじさん。一連のやりとりを通し、郡山の人柄がこのおじさんに集約されている気がして、ますます郡山を好きになる。
門扉越しに見る開成館の威容たるや、まさに明治の男たちの夢そのもの。ぜひ中に入りたかったのだが、ここで中に入るとセミナーに間に合わない。郡山滞在中に必ず再訪することを誓う。また、クリームボックスも開成館で食べようと思っていたが、良く見ると開成館の傍には斎場が。斎場の前でフォーマルな格好のおじさんがレンタサイクルにまたがり大口開けてクリームボックス・・・万が一にもこんな姿をセミナー参加者にさらすわけには行くまい・・・・断念して戻る途中で見かけた良さげな公園を昼食場所に定める。
さて、私が訪れたのは開成山公園。なかなかよさげな公園だ。郡山の街中を走って思ったのが、公園の多さ。この公園もにわか写真家の魂をうずかせる・・・そういえばまだ今日の愛車を撮っていなかったので、こちらで一枚。
こちらが郡山でいただく初のお食事。郡山のご当地グルメことクリームボックス。うん。うまい。このこんもり感がたまらんね。時間がない私にはちょうどよい食事だった。あらためてまざっせプラザのお兄さんに感謝。
それにしても、空が青い。なんという天気。こんな空の下で食べるクリームボックスはうまい。セミナー開始まであと1時間強というのがとても信じられないほど。ベンチに座って目の前の小僧の銅像を眺めていると・・・目の前の雲が不死鳥に見えてきた。いや、これはどう考えても不死鳥に違いない。クリームボックスを平らげた私は写真を撮りまくる。そして空に見惚れる。私が郡山でのセミナーが成功することを確信したのはこの時だった。すくなくとも壇上であがって支離滅裂になったり、プロジェクターや通信環境が途絶して立ち尽くす様なことはあるまい。
それだけの確信を、私はこの青空と不死鳥から受け取った。なんといってもこの雲は郡山、そして福島の再生。そして私自身のこれからの象徴なのだから。
不死鳥が 空に羽ばたき 旅路かな
帰りの自転車を漕ぐペダルにも力が入る。途中立ち止まったのは開成山の大シダレザクラ。こういうのが道端に何気なくたたずんでいるのもよし。さらには麗山公園へ。この公園も開放感があり、それでいて洗練されている。ここまでで私にとっての郡山の街中のイメージはほぼ定まった。駅前は立派。通り過ぎた駅前すぐの歓楽街も淫靡に染まらず、あくまで夜の社交場の節度を保っているように見える。目抜き通りも活気を保っている。少し離れると公園や落ち着いた住宅街、歴史的建造物が控えている。グラウンドも開成山公園で見掛けた。郡山という街を走り回って感得したのは、街を形作るさまざまな要素がうまく配置されているという印象。街歩きが趣味の私にとって、住んでみたいと思わせる町だった。
商工会議所の場所を確認しつつ、街中に戻った私。うすい百貨店で荷物を取り出したのだが、またしてもガラス戸でお手伝いしてもらう。さっきとは違う方だったが私の発するお礼に対して返答が返ってくるのは同じ。なんというフレンドリーな街なんだろう。この期に至り、私はすっかり郡山が好きになってしまった。そんな高揚した気持ちのまま、まざっせプラザに無事自転車を返却し、お礼を述べつつ、荷物を持って商工会議所まで歩く。
おっと、まだお伺い時間には時間があるなぁ。安積国造神社で参拝をしなければ。その土地の国津神には参拝をし、その土地に敬意を表さないと。今回は旅人としてではなく、一人のビジネス人として来ているのだから。参拝を済ませ、いよいよ郡山商工会議所へ。
13:00-16:00
敢然と郡山商工会議所に入る。セミナー開始まであと1時間。それにしても洗面所で見た私はかなり汗だく、そして顔色も悪く見える。睡眠不足が続いたとはいえ、かなり病的。これはいかんと洗面所で念入りに顔を整える。そして会場となる五階会議室へ。私の第一印象は皆様にどう映っただろうか・・・
↑このセミナーの内容については、こちらのブログに記載しています。10/4付けの福島民報でも記事にしていただきました。
16:00-19:00
セミナーが終わった私は、そのまま歩いて駅の反対へ。私が投宿するホテルは郡山駅の東口から少し歩いたコンフォートホテル郡山。このホテルはセミナー主催者の方に教えていただいた。評判も上々なのだとか。高揚した気分の私は、立体交差を越え、遠回りしてホテルへと向かった。郡山駅は西口が栄えているが、東口は一転して静か。それもそのはずで、駅の東口は貨物ヤードが広がり、その横には保土谷化学の郡山工場が広大な敷地を占めている。ホテルの窓からみた郡山駅東口は、西口とは違った顔を持っているようだ。
ホテルにチェックインした私は、しばらく旅の疲れを落とした後、夜の仕事の準備を行う。月末日なので月替わり処理の準備や、翌日に控えたkintone Café 福島 Vol.1の準備も進めないと。
いったん、偵察もかねて夜の街に食事に向かった私。先ほどと違って駅の東西自由通路を通る。この自由通路が結構長い。400メートルほどあるらしい。なので、駅前にあるはずのコンフォートホテルからは600メートルは歩かないと駅のコンコースにはたどり着けないことになる。これが今後の郡山市の発展の上で障害とならねばよいのだが。東口では何かの工事が進んでいたようだが、すでに市当局も改善に向けて策を打っているのだろうか。
19:00-25:00
夜の街を歩き回ってラーメンを食べ、ホテルに戻った私。猛烈に作業を行い、23時過ぎにもう一度駅前へ臨むことになる。
金曜夜の郡山。それは昼間見ただけでは気付きようもない郡山の別の顔。私が毎月恒例の一人飲みの宿り木として伺おうと決めていたのはThe Bar Watanabe。こちらのバーは、kintone Café 福島 Vol.1の主催者の方よりお勧めバーとして教えてもらっていた。ところがこれが見つからない。同じブロックを三周ほどしてようやく見つけた。そしてその間に呼び込みのお兄さんお姉さんに何回も声を掛けられる。黒服の方々は、この界隈だけでも50人近くは見かけただろうか。でも、その呼び込みはしつこくない。こちらが手を振って断るとすっと引き下がってくれる。結構洗練されているかも。郡山って。
そして、私がようやく見つけたThe Bar Watanabeは、東京でもなかなか見られないほどの隠れ家度。
内装も酒の種類も雰囲気も良い感じ。結局閉店の1時までお店にいついてしまった。The Bar WatanabeではArdbegとMaker’s Markの46プルーフ、さらに店主秘蔵酒をいただく。この秘蔵酒の正体とは、、、うー、書きたい。でもこちらの秘蔵酒は写真撮影すらNG。それもその筈で、この酒がこの値段で飲めるとは!という逸品だった。これ飲むためにもう一度訪れたいぐらいの。うー書きたい、けど書かないし載せない。
でも、郡山のナイトライフも堪能できたのでよしとしよう。郡山の洋酒文化の成熟度も知ることができたし。なお、お勧めいただいたBarは他にも3軒。全てが良さそうで、行きたかったのだがすでに時間的に閉店の模様。これは再訪したい!満足しつつ郡山で過ごす最初の夜は更けて行く。
地図集
郡山駅からうすい百貨店への経路(Google Map)
うすい百貨店から郡山市開成館への経路(Google Map)
郡山市開成館からまざっせプラザへの経路(Google Map)
まざっせプラザから郡山商工会議所への経路(Google Map)
郡山商工会議所からコンフォートホテル郡山への経路(Google Map)
コンフォートホテル郡山からあさくさラーメンへの経路(Google Map)
あさくさラーメンからコンフォートホテル郡山への経路(Google Map)
コンフォートホテル郡山からThe Bar Watanabeへの経路(Google Map)
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